エッセイ

新型コロナ騒ぎで人格おかしくなったと言われている人=コロナの前からすでにおかしかった説

ヤシの木 青い空

突如として大流行が始まった新型コロナウイルスの猛威はとどまることを知らず
今年のゴールデンウイークはとにかく『Stay Home』だ。

とにかくこの大流行を終わらせていつもの日常を取り戻すためには、今が耐える時だということは重々理解できるため、私も不要な外出は自粛して、買い物も一人で行く、帰ったら手洗いや消毒の徹底などノイローゼ気味に対策している。

普段からインドア派の方はあまりストレスに感じないという声もよく聞くが、私はとにかく外に出たいタイプなのため、本当にこの自粛生活はとんでもないストレスである。

こんないい季節、サーフィンにも釣りにも、それが無理なら農園でなにかしらの“食えるモン”狩りでもいいから行きたいけど、なにしろ外に出ること自体が今は我慢の時だ。じっと耐えて、自宅の庭で日焼けでもしてビールを飲むしかない。

コロナ騒ぎでストレスが溜まっているのは、超インドア派の方々以外はみんなも同じだろう。

それに加えてマスクや消毒液が入手困難になり、人々が物資の取り合いになったりしてピリついている雰囲気もまたなにか心がソワソワする。

よく行くコンビニの店員さんは、たまにマスクが入荷すると『お一人様1点まで』と書いて貼ってあるにもかかわらず大量に買おうとする人がいて、注意すると怒り出すのよと嘆いていた。

しかし当初私は『コロナのおかげでみんな人格変わっちゃったな・・・』と、残念思ったりもしていたわけだが、その反面、コロナが流行する前から当然の顔で店員さんにおかしな要求をするヤカラは一定数いたわけで、このコロナ騒ぎのなかでも変わらず思いやりがあって優しい人もたくさんいるよな、と冷静に考えるに至った。

つまりコロナ騒ぎで人格おかしくなったと言われているヤツは、コロナの前からすでにおかしかったか、おかしくなる要素を予め持っていた隠れモンスターだったのではないかと思うのだ。

私はたまにスーパーに貼ってある『お客様の声』なる掲示板を呼んで、色んな人がいるな〜と眺めるのが好きなのだが、本当にいろんな意見があり、時に驚かされる。

『前に売っていた●●のアイスが美味しいのでまた入れてください』とか
『冷凍食品のレパートリーが増えると嬉しいです』などの意見は、スーパー側にも参考になることもあるだろうな〜とお客さんの意見として納得なのだが、かなり理不尽な書き込みも多数見受けられる。

『店長がバイトを怒鳴っていて不愉快』とか、『ケーキの予約をしようとしたらバイトが全然わかってなくて待たされた』とか・・・

このあたりは、まぁ意見としてはちょっと辛口だが、わからなくもないな・・・というところではある。
『お客様の声』の用紙に下半分には店長からのコメントとして
『ご意見ありがとうございます。申し訳ございません。』等の返事が書いてあることが多い。

しかしながら、『ナスがしなびていた。△△スーパーの野菜の方が新鮮です。見習ってください』等の領域になってくると、『大変申し訳ございません。』と返信を書いている店長さんが段々不憫に思えてくる。

店長としても『うるせえな。じゃあ△△スーパーで買えよ』等、書きたくなる気持ちを抑えての『大変申し訳ございません。』になってくるだろう。

しかし私が過去に見かけて最も驚いた『お客様の声』は、
おつとめ品のバナナが黒いです。なんとかしてください。

という目を疑う書き込みだ。もはやお客様の声』でもなんでもない。
そしてその書き込みに対する店長の返事がまたまた『大変申し訳ございません・・・』

その時ばかりは

おいおいおい!!!

お前はバカか!?(出川風に)

バナナが黒くなってきたからおつとめ品なんだろうが!!!
100円のものを30円にしてやってるんだろうが!30円に!
黒いバナナが嫌なら黄色いバナナを買いやがれ!100円でな!!!

ケッ!!!

店長に代わってお仕置きよ!!!一般人主婦仮面より

という張り紙を、店長からの『大変申し訳ございません・・・』の上にバン!!!と貼り付けてやりたいという激しい衝動にかられたのであった。

こんなアホみたいな書き込みに『大変申し訳ございません・・・』なんて書かなくちゃいけないとは、もう手が震えてしまって裏口から逃げ出したくなるレベルのハイストレスだろう。

不特定多数のお客さんを相手にしている職業の方は、コロナに関わらずいつだって一定数の理不尽な人間に嫌な思いをさせられているのだろうということは容易に想像がつく。

かくいう私であるが、逆に店員さんのあまりの態度の悪さに閉口してしまったことも何度かあるのも確かだ。しかしそのような例を除いて、日本人は一般的な店員さんの接客レベルが高いのに慣れてしまっており、『お客様は神様』と思いこんでいる人がいすぎるのも現実だろう。

そして自分の経験上、大した金額を落とさない人間に限って過剰なサービスを求めるのがこの世の常だ。

このことについて考えるとき思い出すのが、昔、旅行で南の島に訪れた際のあるスーパーの店員にまつわる一件である。

そこは食料品やジュース、ビールなどの飲み物や日用品以外に、観光客向けの土産物などもたくさん置いてあるスーパーだった。

私たち夫婦は、なんだかんだと盛り上がりながら、ホテルの部屋で食べるためにビーフジャーキーやらビールやらをたくさんかごに入れ、ついでに楽しくお土産を選んでいた。

すると、南の島っぽい木彫りの人形に目が留まった。
そして数ある木彫りの人形の中でも、人形が樽に入っている不思議なデザインのものを見つけたのだ。

樽が動くようなので、上に引っ張って樽を外してみると
人形(男子)の股間がビヨヨン!!!と飛び出してきた。

今更になって、それがどういう人形であるか言葉で説明しようとしてみるとかなり難しいので検索してみたところ、まさにそのものの動画がYOUTUBEに上がっていたので参考に拝借させていただいたのがこちらである。

私たち夫婦はその人形をお土産にプレゼントするのにふさわしい知人に心当たりがあったため、迷わずかごに入れた。

よく考えれば、この人形がお土産として最もふさわしいと判断された知人というのも若干不憫ではあるが、とにかくレジに向かった。

すると、レジを担当していた現地の店員は、かごの中からその人形を見つけるとけたたましい大声で笑いだしたのである。

ちょっとあんた・・・クスリでもやってるんじゃないの・・?と疑いたくなるくらいの異常なまでの大爆笑をかました上、それでは飽き足らず、隣のレジの男性店員を呼んでその人形をかかげて見せると『これ買うんだってよ〜(爆笑)』と二人で大笑いしている。

あまりにも楽しそうなので、つい買う私たちも笑ってしまったが、これがもし日本だったなら大変なことになるだろう。それこそ『お客様の声』行きだ。

私たち夫婦が恥をしのんで卑猥な木彫りの人形をそっと購入しようとしたところ、おたくの店員が大声で嘲笑した挙句、となりのレジの別の店員まで呼び、他のお客様の前で、この下品な木彫りの人形をふりかざし大恥をかかされました。そのような下品な人形を販売されておられる責任はどのようにお考えでしょうか。間違って買ってしまい、公衆の面前で吊るし上げられた客の身にもなっていただきたいです。

これくらいの苦情は書いてやってもいいはずだ。

そしてこれこそ店長からの返信は『大変申し訳ございません。』がふさわしいだろう。掲示板を見た他のお客さんもきっと『それは書かれて当然だ』と納得するはずだ。おつとめ品のバナナが黒いどころの騒ぎではない。

これからしばらくの間は、私たちは新型コロナウイルスのおかげでストレスフルな生活を余儀なくされると想像がつくが、コロナウイルス抜きにしても、一生懸命働いてくれている人にはこれからも敬意をもって接していきたい。

礼儀正しい接客に慣れ過ぎてちょっとしたことも許せないような小さい人間になってちゃいけないよな。

そんなことを考えている今年のゴールデンウイークである。

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冨岡さわこ
冨岡さわこ
こんにちわ!湘南に住む、占い師でエッセイストの冨岡さわこです。(✿✪‿✪。)ノ すれすれの人生、避けて通れないならネタにしよう! わたしを悩ませるあんなこともこんなことも、こんなことも。 現在、中学生と小学生の二人の娘を持つ母です♪ 過敏性腸症候群IBSのおかげで、人生に無駄なピンチが多めに降臨。