私が20代半ばくらいの時、エンタの神様というお笑い番組で
お笑いコンビの“オリエンタルラジオ”が
「武勇伝」というリズム芸で大ブレイクしていた。
みなさんの記憶にももちろん残っていると思うが
♪武勇伝、武勇伝!!武勇でんでんででんでん♪というあのネタである。
ある日、何気なくテレビで“オリエンタルラジオ”の「武勇伝」を見ていると
♪ビフィズス菌を除菌する!!武勇伝武勇伝♪ などと言って爆笑をとっていた。
私はとてつもない驚きで言葉を失った。
ビフィズス菌を除菌するって・・・
武勇伝なのか!?
し・・知らなかった。
まさに目からウロコであった。
当時の私は過敏性腸症候群(IBS)の下痢の症状に非常に悩まされており
整腸剤や下痢止めの服用の他に、テレビでCMをしているビフィズス菌入りのちょっとお高いヨーグルトやらドリンクやらも、藁にもすがる思いで日々購入し、せっせと摂取していた。
しかし過敏性腸症候群(IBS)の症状はとどまることを知らず悪化する一方であり
みんなの腸には効くのになんで私の腸には効いてくれないんだ・・・と肩を落としていたのだ。
そんな時に見かけた、♪ビフィズス菌を除菌する!!武勇伝武勇伝♪は衝撃であった。
ビフィズス菌の除菌でみんなウケてる・・・
私はビフィズス菌の除菌しちゃう自分のお腹が憎くて、悩んで苦しんでいるというのに・・・みんなウケてる・・・
私もビフィズス菌の除菌・・・
めっちゃ得意なんですけど~( ;∀;)!
ものは考えようである。
私はそれ以降も現在に至るまでの長い年月を過敏性腸症候群(IBS)による下痢に悩まされ、「漏らしちゃいけない!」という基本理念のもと日々奮闘しているのだが、先日、お友達の家族とみんなで飲み会をしたとき、あるお友達が“ご主人がウンコを漏らした”いう話を披露し、その日一番の笑いを取っていた。
そんな話を曝露されたご主人も笑いがとれたことにまんざらでもない様子であり、嫌がることもなく一緒に笑っていたのだった。
私はまがりなりにも女子であり、まだウンコを漏らして笑いを取るという神の領域にまでは達していないが、私の「絶対に漏らしてはいけない!」という信念に対し、そっちは「漏らしてはいけないことは知っているが、漏らしちゃったなら笑いがとれればいい」というスタンスなのである。やはりものの考え方というのは大きい。
そしてその飲み会に参加していたもう一人のご主人は、さほど高身長ではないにも関わらず体重が90キロ超えの巨漢である。
だが彼は自称“ちょっとポッチャリさん”であり、「痩せようと思えばいつでも痩せられる」と涼しい顔で言ってのける、ポジティブおデブさんなのだ。
おデブさんゆえに夏のイベントでは毎度大量の汗が吹き出し、何度もTシャツを着替えることになるのだが、そんな時でも本人は“新陳代謝が良くって”などと前向きである。汗っかきのデブなどという概念は全くないようだ。
こんなふうに前向きで気楽にものを考えている人を見ていると
一つの物事に対して別の面を見るようにすれば、意外に悲観的なことばかりではないのかもしれない、ということを考えるようになってきた。
ビフィズス菌を除菌することが武勇伝であったように、自分が「嫌だ」とか「ついてない」と悩んでいることが、他の面から眺めると、さほど深刻に悩まなくてもいいことだったりすることもあるのだ。
そんなことを考えている今日このごろだが、先日、私は主人から「ディズニープリンセスの中だったらモアナに似てるよね!!」と言われ大喜びした。
今までの人生、ディズニープリンセスに例えられたことなど一度もなかったため完全に喜びで舞い上がりながら「そお?似てる?」などと聞き返すと
主人は「うん、プリンセスの中で一番イモだし!!笑」と滑舌よく答えた。
そして「眉毛太くて鼻ダンゴで髪長くて色黒いし、モアナが走ってるとこなんてまるっきりそっくりだよ!」と続けた。
おいおい・・誰が“一番イモ”だ・・・
誰がゴン太眉毛のダンゴっ鼻だ・・・
ち、チクショウ・・・(恨)
しかし40歳を超えてディズニープリンセスの一員に似てると言われるなんて、それがどんな理由であろうと、とんでもなく光栄なことである。
たとえ“一番イモ”で“ゴン太眉毛のダンゴっ鼻”という理由だからだとしても、である。
“一番イモ”で“ゴン太眉毛のダンゴっ鼻”だとしても、プリンセスはプリンセスなのだ。(2回言う)
私はこちらの角度から全面的に喜びを爆発させることにした。
どうせなら前向きな人に見習って、普段から思考回路を前向きに変えてみるのもいいかもしれない。
物事を良い方にとるクセがつけば、少し大きな問題にぶつかったときも今までとは違う角度からとらえられるかも知れないな・・・!
残りの人生を少しでも楽しいものにするため、今までとは少し意識を変えていきたい。
最近よくそんなことを考えている私である。