私は自分に子供が生まれる前、テレビや雑誌などで胎内記憶について目にすることが度々あった。
まだ生まれていない時の、お母さんのお腹の中のことを生まれてから2-3歳の時に子供が急に話し出すことがある、というもの。
胎内記憶は嘘、胎内記憶なんてありえないなどと
ムキになって論破しようとする人もいるが
私はそこに一生懸命に白黒をつけようという以前に、
赤ちゃんや子供に関するこういう神秘的な話がすごく好きだ。
科学的にあり得ないとかの話は大槻教授にでもお任せしておけばいい。
私は芸能人が自分の子供から聞いた胎内記憶の話など語るのを目にすると、
実際に最近までお腹にいたのだから何かしらの記憶が断片的に残っていても
不思議じゃないよな!私もいつか聞いてみたいなぁなんて漠然と考えていた。
やはり言葉でいろいろ伝えられるようになる2-3歳頃にママにお話してくれる子供が多いようで
私も長女がお話が上手になってきた2-3歳頃は、この手のお話をしてくれるのを今か今かと待っていたのだった。
しかしうちの長女は一向に胎内記憶の話をしてくれる様子もなく
うちの子はそういう記憶無いのかなーなんて諦めていたのだった。
胎内記憶を吹っ飛ばし、生まれる前の記憶を語りだす
ところが長女が5歳を過ぎたころ、なんとも不思議なことを語りだした。
胎内記憶ではなく、生まれる前の記憶についてペラペラと語りだしたのだ。
長女の話をまとめると
・お空の雲の上で、羽根が生えた赤ちゃんたちがたくさんいた。自分もその一人だった。
・赤ちゃんたちの面倒をみてくれるのは白い長い服を着た優しい女の人だった。
・赤ちゃんたちは雲の上で並んで、産まれる順番を待っている。
・順番が来るとシュッ!!と飛び降りる。
・空の上ではいつも妹と一緒に、羽根をバタバタして遊んでた。
二人で一緒にあのお家に行こうと決めた。
・羽根を使って遊びすぎると羽根が黒くなってしまう
・本当は妹の方が先に生まれるため並んでいたが、
自分は早く生まれたくて順番抜かしをして飛び降りた。
・ママが可愛かったからママの子になりたくて、ママのとこに行くって決めた。
ざっとこんな内容のことを話し出したのだ。
ものすごくビックリしたが、同時に感動もひとしおだった。
うちの子がこんな神秘的なことを教えてくれるとは!!
私を選んで産まれてきてくれた、というところには、
なんだかすごく絆を感じて胸が熱くなった。
長女は、妹と喧嘩をした時など、妹が悪いのに自分の方が注意されたりすると
『順番抜かしなんてしなければよかった!!(怒)』と捨てゼリフを吐いていたりしたこともあった。
長女の中では、自分が先にお空から飛び降りちゃったからお姉ちゃんになっちゃったんだ!という思いがあったようだ。
もしも、長女が順番抜かしをしなかったら、本当に次女が先に生まれてたのかな・・?!
科学的に証明などできないけど・・・
ひょっとしたら次女が長女だった可能性もあるのかしら!
そんなふうに考えると長女の話が聞けたことは何とも面白い体験だった。
“生まれる前の記憶の話”を、ママ友にしてみた
後日、ママ友と居酒屋でビールを飲みながら、長女が教えてくれた生まれる前の記憶の話をしてみた。
するとママ友が『うちも産まれる前の話、してくれたことあるよ!』と言うではないか!!
このママ友にはうちの長女と同学年の男の子がいるのだが、
夜寝る前に、布団の上で息子さんから、唐突に
『母ちゃん、俺を買ってくれてありがとう』と言われたそうだ。
俺を買ってくれて?なにそれ!!
興味津々で聞き返した。
息子さんの話によると・・・
お空の上は赤ちゃんデパートになっていて
お母さんたちが気に入った赤ちゃんを買って連れて帰るようになっていた。
だが、この息子さんは売れ残ってしまい誰かに買ってもらえるのを待っていた。
ずーっとずーっと待ってたら、優しそうな女の人が自分のことを見に来て、
『この人に買ってもらいたいな!!』って思ったら、ほんとうに買ってくれた。
それが母ちゃん(ママ友)だった。
ということなのだ。
そして寝る前に布団の上で言った、
『母ちゃん、俺を買ってくれてありがとう』の言葉につながったのだった。
さっきまでバカ話で手を叩いて爆笑していた私とママ友、
息子さんの赤ちゃんデパートの話で感極まり、ビール片手に鼻水を垂らしながら号泣したのだった。
はたから見れば完全に情緒不安定である。
赤ちゃんデパートのお話は、うちの長女の話していたお空の上のシチュエーションとは全く違っているが、やはり生まれる前の記憶、生まれるきっかけとなった記憶というのを覚えている子っているんだ。
うちの子供もママ友の息子さんも自分で『ここに生まれたい!』って願って生まれてきてくれた。
ある調査によると胎内記憶を含めて、生まれる前の記憶を、生まれた後に話し出す子は全体の3割ほどもいるのだそうだ。
そして私も、生まれる前の記憶というのは本当にあると思っている。
子どもが母親を選ぶとき、自分の好みより「母親の役に立てるかどうか」を優先することもある。嫌なことやつらいことを多く経験した女性に対して「喜ばせに来た」という証言がちらほら聞かれるという。胎内記憶を科学的に証明することはできないが、「ある」と信じ、自分を選んで生まれてきてくれたんだと思えたら、育児の苦労も多少はやわらぐかもしれない。
自分を選んで産まれてきてくれた我が子だと思うと、
私自身、大変な時もちょっとパワーが出たり、頑張れたりしたものだ。
それにしても最近、腰を抜かすほど生意気な発言を連発で繰り出してくる
小学3年生の長女・・・
私を選んで生まれてきてくれたことすっかり忘れてしまったのではあるまいな・・・!?
いつまでも、
『ママが可愛かったからママの子になりたくて、
ママのとこに行くって決めた』
の一文だけは、深く心に刻んでいて欲しいものである。