エッセイ

めちゃくちゃズレてる人の特徴 行きつけのネイリストさんの話~その1~

私の通っているネイルサロンで、担当してくれているネイリストさん。私より一回りの年下の20代だ。

かわいくてセンス抜群なのだが、ビックリするくらい色んな意味でズレている。ズレてる人の特徴をこれでもか!と凝縮したような女性だ。

最初にことわっておくと、私は彼女のことが大好きである。ズレてるというと下手なネイリストと思われるかもしれないが、その全く逆でネイルの腕はスゴイ。

でも一般的な成人女性と比べると若干どころではなく、半周ほどズレているのだ。

初対面から失礼

初めてネイルを担当してもらった時のこと、真冬だったので私はマスクをしてサロンに行ったのだが施術が終わってお茶とお菓子を出してくれたため、せっかくだからいただいてから帰ろうと思いマスクをはずした。その瞬間、彼女はけっこうでかめの声で、『え~!全然大丈夫じゃないですかぁ~!』とのたまった。

全然大丈夫??・・・え?

私、彼女に『わたしはブスだからマスクしてます』って言ったんだっけか・・?それとも彼女は心の中で、こいつマスク取ったらブスそう、と予想していて心の声がもれ出たのか?(漏れ出たにしては大音量)

全然大丈夫と言われて、つい『ありがとう』って言っちゃったけど、こ・・この人・・・。

失礼だぞ。。。

でも・・・なにか私の好物のニオイがする・・。

私の心の中で『ワクワクすっぞ~』という声が聞こえた。

北朝鮮にお友達はいません

この日以降、ネイルサロンではネイルをしてもらう楽しみ以外に、彼女を観察するのが私の楽しみになっている。

私は誰かにほめられると、『どっかから何か飛んでくるからやめて~!』と返すのが口癖なのだが、ある日、突然のほめちぎり攻撃をしてきた彼女にいつものごとくこの口癖を発すると『さわさん、いつもどっかから何か飛んでくることを気にされてますよね!』と返された。

いや・・・・気にしてない気にしてない!!

本当に何か飛んでくるとは思ってない!
本気でそれ気にしてるなら何かの病気を疑った方が良いだろう。

彼女とまともに会話してると自分もおかしくなってくるのだ・・。

またある時は、ちょうどアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩氏が対談したタイミングでネイルしに行ったのだが、彼女はかなりの勢いで北朝鮮について否定的な意見を言った。それはまったく普通のことだと思うが、突然声をひそめ、『さわさん、北朝鮮にお友達とかいます?』と質問してきた。

はい?

彼女は私がどれだけ手広く交友関係を広げていると思っているのだろうか・・。

『北朝鮮にお友達はいないよ・・。』

そう言うと、彼女は『良かった!もし知り合いとかお友達いたら、悪口言ったら申し訳ないんで!』と言うではないか。

礼儀正しいんだかお馬鹿さんなのか・・おそらくお馬鹿さん寄りだろう・・(失礼・・)。
いや、礼儀正しいお馬鹿さんというべきだろうか・・(もっと失礼)

交通事故の目撃証言でおばさんにダメージを与える

そんな彼女だが、先日自宅の庭で洗車をしていたところ、交通事故の現場を目撃したらしい。幸い、事故に合った人には大きなけがなどはない様子だったが、彼女は駆け付けた警察に目撃した状況を説明することになった。

彼女は『これこれこういう状況で、このおじさんがひかれてしまったんです!』と詳しく説明した。するとまわりで見ていた他の人が、『ひかれたのはおばさんですよ』と訂正したらしいのだ。ところがなんのスイッチが入ったのか彼女は『ゼッタイに、おじさんです。私はこの目で見てました!ひかれたのは間違いなくおじさんです!!』と熱く証言したそうだ。

それ、たぶんおばさんだな・・。

うすうすそう感じたが、『結局、どっちだったの?』と聞くと、『いや、おじさん下向いて全く顔上げなかったんですけど、でもゼッタイおじさんでしたよ!』というではないか。

間違いない。
それはおばさんだ。

きっとおじさんおじさんと連呼されて、恥ずかしくて顔があげられなくなったのだろう。
私は運悪く彼女に事故現場を目撃されたそのおばさんが心底不憫で仕方がなかった。

事故に合っただけでもツライのに、大勢の前でおじさんおじさんと連呼される辱め。。
どれだけ体と心にこたえただろう・・・。多重事故にもほどがある。

トラウマになるポイントそこじゃないよ・・

そして彼女を語る上で外せないのが、クズすぎる元カレ話である。

とにかく誰からでもお金を借りようとする元カレ。

元カレの会社の同僚に聞いた話によると、となりのデスクで仕事している同僚にそっと紙切れを渡してきてその紙切れにはお金を貸してくれ、と書いてある・・そんなこともよくあったそうだ。もちろん貸すわけないのだが、無理とわかっていてもそんなことを繰り返す元カレ。

しかも元カレの実家に遊びにいくと元カレのお母様から、なぜか自分が滞納している税金70万を代わりに払えと言われたそう。。

将来結婚したら同居して、子供の面倒も見てあげるんだから、そのくらい払えるでしょ?と謎の上からで来られたそうだ。

なかなかの親子だ。

そんなある日、なんだかんだと元カレともめて大喧嘩に発展すると、元カレは彼女の作った夕ご飯をキッチンの流しに置いてある三角コーナーに思い切り投げ捨てたそうだ。

そのことを彼女が非難すると、元カレは『食べればいいんだろォ!』と、なんと三角コーナーから食べ物を拾って食べ始めたと言うのだ。

彼女は『それ以来、わたし三角コーナーがホントに苦手でっ!!トラウマなんですぅ!!ほんとに三角コーナー嫌いなんですぅ!!』と何度も言っていた。

いや待て・・なんでそうなる・・?
トラウマになるポイントすらもずれているぞ・・。
ほら、そんなおかしな男とその母親のようなタイプがトラウマとかならわかるよ・・?

トラウマすぎて三角コーナーと縁を切るって・・・。なぜそうなった・・。

その彼とは無事お別れしたらしいのだが、別れを決意した最後の決め手は??と聞いてみると『色んな銀行からお金おろして全財産集めてきたから、このお金で飲みに行こうと言われて・・・2000円持ってきたんですよ!2000円ですよ?その時、別れを決めましたね!!』とのこと・・。

確かに全財産集めて2000円っていう30代半ばの男性は嫌だけど、これまでそれどころではない元カレのクズっぷりをさんざん許してきた割に、こんなにインパクトの薄いエピソードで別れを決意した彼女・・。

せめて三角コーナーのくだりで別れを決めてほしかったところである。

だれがロッケンロールやねん

そしてつい先日サロンを訪れた際は、サロンのテレビで海街ダイアリーという映画のDVDが流されていた。

この映画には先日亡くなった樹木希林さんが出演しているのだが、彼女は『私、樹木希林さん好きなんです。内田裕也さんとすごくいい夫婦ですよね』と、珍しくまともなことを言い出した。

私も同感だったので『ほんとに素敵だよね。それに内田裕也さん見てると何歳になっても自分のスタイルで自由なカッコしてて、私もそれでいいんだなって勇気でるよ!』と答えた。すると

『えーーー!!さわさん、内田裕也さんと全然系統違うじゃないですかぁーー!!』と大声で言うではないか・・・。

だからなんでやねん!

誰が裕也目指しとんねん。
何歳になっても自分のスタイル、ってとこに勇気もらってるんじゃ!!

しかもあんた声でかいねん!!

まわりのお客さんに、内田裕也目指してる人、と認識されたらどうすんねん!!
誰がシェケナベイベーだ・・・誰がロッケンロールだ!!!!

関東育ちの私だが、あまりのトンチンカンな彼女の発言に溢れだすツッコミが止まらない。

いつもはふわふわとしていてまともに話も聞いてるんだか聞いてないんだかわからない彼女なのだが

『やだー!小さい声でブツブツめっちゃ悪口言うじゃないですかぁ~~!!めっちゃ言うじゃないですかぁ!』と突然的確な感想を述べ出す・・。

伝わったのか・・?
裕也のロックンロール目指してないこと、伝わったと判断してよいのか・・?

つかめない。。読めない。。
この子は深い・・。いや、一周まわって浅いのか・・・!?

とにかく、ズレているのだけは確かだ。

ズレすぎて、突然まともな位置にカチャ!と戻る瞬間があり、その後またズレだすのだろうか・・・。

来週、ネイルの予約を入れているので引き続き観察を続けていこうと思う。


ABOUT ME
富岡紗和子
神奈川県湘南在住、占い師(帝王命術売占い鑑定師・四柱推命鑑定師)ラジオパーソナリティ・エッセイ作家・法人役員(役員暦24年)の富岡紗和子です。 現在、二人の娘を持つ母でありサーフィンとビールをこよなく愛するアラフィフ女子です♪ ⇒ ⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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