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過敏性腸症候群(IBS) withサーフィンⅡ ~軽い人間観察とともに~

ヤシの木 サーフィン

このブログではすでにおなじみだが、私は20年近く前から、過敏性腸症候群(IBS)を患っている。

IBSとは、 血液検査や大腸内視鏡検査などで腸に異常が認められないにもかかわらず
下痢や便秘を慢性的にくりかえす疾患 であり、私の場合はメインが下痢で展開される通称“下痢型”だ。

このブログをいつも読んでいただいている方には定番の、
「このブログではすでにおなじみだが、私は20年近く前から、過敏性腸症候群(IBS)を患っている。」というIBSについて書く時のオープニングのくだりだが、初めて読んでいただく方にも状況を理解していただくためあえて毎回書いている。

まぁ、【むかーしむかしあるところに】と同じような感覚で読み流していただければと思う。そしてオープニングの“くだり”と言ってもまだ腹が下っているわけではないことを、前のめりなIBSのお仲間には念のためご注意申し上げたい。

ところで、私はしばらく前から、IBS下痢型には最もハードルが高いと思われるサーフィンにはまっている。

海に向かう道中の果てしなく馬鹿馬鹿しい苦労については以前にも少しお話したので
プレイバックしてみたい方はぜひこちらからご覧いただきたい。

私はサーフィンも大好きだが人間観察も同じくらい大好きだ。
サーフィンにハマっているといっても亀レベルの成長しかしておらず、休憩に上がっているときなどは他のサーファーの皆さんや海辺で遊んでいる団体などを遠目から観察し、ちょっとツボな人物を発見すると目で追っては砂浜で一人ニヤニヤするのが日課である。

休憩に上がっているときこそ、他のサーファーのテクニックなどを観察しその後の練習に生かせばよいのだろうが、それをしないところも私のサーフィンの腕が上がらない大きな理由だろう。わかってはいるのであるが、つい砂浜で珍味的人材を発掘してはほくそ笑んでしまう。

自分が実際にサーフィンを始めるまでは、自分の中での昔の古いイメージもあり、サーファーというのはロン毛のギャル男真木蔵人風の団体だと信じ込んでいた。

しかし実際はギャル男も真木蔵人も、率としては少なめであることに驚く。
そして何よりサーフィンを始めて一番驚いたことはサーファーにお年寄りが多いことである。

お年寄りのスポーツというのは広場でのゲートボールのみだと思い込んでいた私には衝撃であった。しかも本当に上手な人が多くて目を奪われる。まさに職人ワザである。

これは、とある快晴の土曜日、張り切ってサーフィンに出かけた日のことである。

ひととおり練習してちょっと疲れてきた私は、サーフボードにまたがったままのんびりと海に浮かび、ボーっと人間観察をしながら休憩していた。

すると陽気な雰囲気を醸し出したお茶の水博士風のサーファーが、サーフボードを抱えて海に入ってきたのである。
お茶の水博士 鉄腕アトム
見た瞬間、「あ、博士!!!」とつぶやいてしまったほど、顔も体型もそのまんまお茶の水博士のご老人は、その風貌とは裏腹にさっそうと波を乗りこなしている。

サーフボードにまたがったまま観察していた私は「博士すげーぇ!!!」とその後しばらく羨望のまなざしでお茶の水博士の姿を見つめていた。

その日はお茶の水博士を皮切りに個性的なサーファーをたくさん目にすることとなった。

私のすぐそばにいたサーファーの中年男性は【太陽に当たると溶けてしまいます】と言わんばかりにドラキュラのように青白く不健康な雰囲気を漂わせていたが、やはりかなりの腕前であった。

ここまでのサーフィンの腕前となると海には足しげく通って練習しているはずだと考えるのが当然だが、そうなるとあそこまで青白く不健康な雰囲気を保つのは逆に難しいのではないだろうか。

ハリーポッターにでてくるスネイプ先生と同じオーラを放っている彼に、私は「良い日焼け止め知ってたら教えてください」と話しかけたい気持ちをぐっとこらえ、おとなしく目で追っていた。
スネイプ先生 ハリーポッター

あんまりじろじろ見てしまって突然、杖を向けられてしまっては怖い(失礼)。
彼がこちらを振りむきそうになるたびさっと目をそらした。

その後、スネイプ先生とは打って変わって、透き通るような美しい金髪ロン毛の外国人がサーフボードを小脇にかかえ颯爽と現れた。
「出た!!!ぜったい上手い人だわ!!!」そう確信した私は彼に目が釘付けであった。

もうその空気感たるやカルフォルニアのローカルサーファー以外の何者でもなく、彼を含む日本の海の風景は一気にマリブビーチと化した。

これは絶対に凄いライディングを見せてくれるに違いない。めちゃくちゃかっこいいんだろうな♪

私の脳内には勝手にワンダイレクションの♪What Makes You Beautiful♪のメロディーとPVの風景が再生され始めていた。

そして、遠くから波が来ているのを確認しパドリングを始めた彼を期待に胸を膨らませ目で追った。
しかし・・・あれ・・・乗れない。

いや、なんたってこの風貌だからね、今のはたまたまタイミングが合わなかったのよね。
勝手に自分を納得させ見守り続ける私。(大きなお世話である)

よし、またいい波来てるよ~?
再びパドリングを始めた彼・・・おや全然乗れないし乗れそうもない・・・。
なんなら私のほうがもう少し上手そうだ・・・。

そこでハッとした。
あ!彼、初心者なのか・・・。

そうならそうと言ってよ~(汗)

カルフォルニア感がすごい彼にマックスまで期待感を高めた挙句、勝手にがっかりした上、
「そのカルフォルニア感で全然乗れないとは・・・故郷のお母さんが泣いているぞ?」などと刑事ものの取り調べ室でありがちなセリフが浮かんできてしまい、そんな自分を心から深く反省した。

そんなこんなで、さんざん他のサーファーの皆さんを観察して楽しんだ後、ようやく私自身も練習を再開したのであった。

下手くそながら何本か乗り、再びサーフボードの上にまたがりしばらく休憩していると、今度は私のすぐ隣に、物凄いを感じさせるスキンヘッドのサーファーがやってきた。

スキンヘッド、波を見極める険しい目つき、こちらがたじろぐほどの威圧感満載のオーラ・・・
もはやハムナプトラの“イムホテップ”にしか見えなくなってきてしまった。
イムホテップ ハムナプトラ

千鳥ノブさんの「クセ!!!」のように、「圧!!」とつぶやいてしまいそうになる自分を抑えるのが精いっぱいだ。イムホテップなど砂の中にいようと海にいようと、なんなら街中で見かけようとが強すぎである。

じっと見ていると彼の圧に負け洗脳され、「イムホテップ!!イムホテップ!!」とコブシを突き上げながら後に付いて行ってしまいそうになるため、私はそっとイムホテップのそばを離れた。

大体、他のサーファーの皆さんのテクニックじゃなくてこんなこと観察しているから私はいつまでもうまくならないのだ。もっとまじめにやらんか!!

そんなことを考え、自分を戒めたその瞬間である。

下っ腹に締め付けられるような痛みが走り、ギュルルルルルルルルルル・・・・・・・!!!という振動とともにIBS下痢型のお馴染み腹痛タイムがやってきた。

しかも今日に限って、腹に違和感を感じてから限界を迎えるまでのタイムが異常に短いカールルイス型ではないか・・・。
先ほどまでよそ様の姿を見ては勝手に妄想を繰り広げ楽しんでいた罰だろうか。(ちなみにカールルイス型は私独自の呼び方なので新人IBSの皆様、くれぐれも参考にしないでいただきたい。)

私は腹圧をかけないよう慎重に砂浜まで戻ると、サーフボードを置き、海沿いのトイレまで一心不乱に走り出した。

「遠い・・・(涙)・・・助けて・・・」そうブツブツつぶやきながら、なおかつ腹圧に重々注意を払い、ようやく海沿いのトイレにたどり着き、飛び込もうとした。

が、その時、重大な事実に気が付いた。
海から上がりここまで無我夢中で走ってきたが、なんとビーチサンダルを履いてくるのを忘れたのだ。
公衆トイレに裸足で乗り込む勇気など、いくらこれまで長いこと数百回の下痢ピンチを乗り越えてきた私であっても、さすがに持ち合わせていない。

しかし、もうすでにヤツは鼻息荒く私の外に出ようと大暴れしている。

今からビーチサンダルを取りに行く・・・?
無理だ。そんなことしたら、1200%の確率で漏らすであろう。

私は究極の腹痛と下痢でパニックになった頭で無い知恵を絞りだし、トイレの入り口付近に積んであったトイレットペーパーを足首から下にミイラのように巻き付け、即席の靴を制作すると間一髪でトイレに飛び込んだ。トイレットペーパーを設置している方と、公衆トイレのトイレットペーパー代となる税金を払っている海沿いの町の皆さんに本当に申し訳ないが、これが思いついた最善の策であった。おかげさまで、なんとか大事件となることなく事なきを得たのである。

毎度毎度、過敏性腸症候群(IBS)のおかげで究極のピンチに追い込まれるが、今回も本気の危機一髪であった。

その後、自主製作のトイレットペーパーシューズで公衆トイレから出ていくタイミングを計り外の音に耳を澄ませ、公衆トイレ付近に誰もいなくなったのを確信するのに非常に長い時間がかかってしまったが、なんとか今回も無事に(無事でもないが)このIBS下痢型のビッグウェーブを乗り切ったのであった。

IBS下痢型を患うお仲間の皆さんもきっと、毎度空気を読まずやってくる腹痛と、行く先々で繰り広げられるこのような下痢ピンチを何度もくらうことにより、外出が怖くなり困難になったり、やりたいことに挑戦する勇気が出なくなったり、たくさんの苦労をされているだろう。

私自身が20年近くにわたり語り切れないほど、こんなバタバタをやっているのだから、誰よりIBS下痢型の方の気持ちは理解できると自負している。

でも人生なんてあっという間だ。この病気だからあれもこれもできない、この病気のせいで何もできない。と信じ込んだら、本当にその通りになってしまう。

健康なお腹の人と同じことがすべてできるかといったら誰が何と言おうともちろんNO!!!!!であるが、この病気であってもピンチは数多くあれど「できること」もたくさんあるのだ。IBSで死ぬことはない。だがIBSで何もできないと嘆いているうちに、何もしないまま人生の時間は刻一刻と過ぎて行ってしまうのである。

今はSNSなどで同じ病気の人とお話したり情報交換もできる良い時代だ。
私は若いころずっと、こんな酷い病気を患って普通のふりして生きてるのは自分だけと思い込んでいた。

だからこそ今よりはるかに辛かった。

長年この病気と共存しIBS下痢型の長老となったアラフォーの今では、この病気と共存しながらできること、そしてIBS下痢型の自分が生きやすくなる方法を模索しながら、せっかくの人生だから楽しくやっていこうと、前向きに考えている。

私はIBS下痢型を完治させる方法をお教えすることはできない。自分自身20年近く治っていないのだから。

だがIBS下痢型でも、やってみると結構いろいろ楽しめる!!
Yes,We Can!!

そのことを新人IBSの皆さんにお伝えできたら嬉しいと、心から思っている。

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こんにちわ!sawachinです(✿✪‿✪。)ノ すれすれの人生、避けて通れないならネタにしよう! わたしを悩ませるあんなこともこんなことも、こんなことも。 7歳9歳の娘の子育てと仕事の両立に奮闘中! 過敏性腸症候群IBSのおかげで、人生に無駄なピンチが多めに降臨。