おもしろ

2019年、年忘れ伊豆白浜の旅で神に弄ばれる

伊豆白浜 田牛

先日、無事に2019年の仕事納めを迎えた。

色々あった一年間。

決して平坦ではなかったけれど、新しい年を迎える前にここでひとまずは区切りをつけようと、
“お疲れ様旅行”と称し静岡県の下田に遊びに行ってきた。

下田には、日本とは思えないほど美しいビーチがいくつもあり、
私がサーフィンを始めたきっかけとなった場所であり、とても思い入れが深い。
伊豆白浜観光協会

一年の締めくくりに夏以来の伊豆白浜をもう一度訪れて、心に溜まった色んな思いを浄化し
また海からパワーをたくさんもらって、新しい1年を迎える力にしたい。

再び美しい海に入れることにわくわくしながら当日を迎えたのであった。
白浜大浜

静岡県の下田市へは我が家のある埼玉県から車で3時間ほどだ。
早朝の4時に自宅を出発し、心配していた渋滞にも巻き込まれず順調にすすみ
朝の7時過ぎには白浜海岸へ到着した。

車を停め、今年の夏に遊びに来た白浜大浜海岸に降り立ってみるとあまりの強風と寒さで驚いた。

寒いどころではない。凍りそうだ。
サーフィン以前に、まだ普通に洋服着てニット帽まで被ってるってのに
早朝の海風は突き刺さるように冷たいではないか・・・

え?待てよ・・・
なんかイメージが違うぞ・・

一瞬、夏の白浜とのイメージのギャップにドン引きしたのだが、ここは気を取り直し、
予めサーファーに人気と調べを付けていたもう少し先の多々戸浜へ行ってみることにした。

車を走らせること10分くらいで、すぐに多々戸浜へ到着した。

さっそく様子を見てみると、なるほどたくさんのサーファーたちがすでに海に入っている。
先ほどの白浜大浜海岸に比べると風もなく、体感の寒さが全然違う。
これなら入れそうだ。
多々戸浜

私は早速準備をすると、サーフボードを抱えウキウキしながら海に入った。

空は若干曇り気味だったが、雲の間から光が差すと海のエメラルドグリーンの色がキラキラして見えて、サーフボードにまたがって波待ちをしているだけで心が洗われるようだ。

よし!頑張ろう!

二か月ぶりくらいのサーフィン、ちょっとドキドキしながら1本目・・・!!

パーリングだ・・。見事に波にサーフボードをひっくり返され、水没・・。

仕方ない♪仕方ない♪
久々だし!次行ってみよう〜!!

さぁ張り切って2本目!!・・・パーリング・・・塩水が目にしみる・・

3本目!!・・・パーリング・・・鼻が痛い・・

4本目、乗れる!と見せかけてからのパーリング・・・くそっ!!!

5本目、思いっきり波に持ち上げられてから〜の、海に叩き落とされパーリング・・・

ってオイ!!!!

全然乗れないじゃないか(怒)!!

当たり前だが、サーフィンは波という自然に自分(人間)が合わせないといけないスポーツだ。

そんなことは私だって百も承知だ。

だけどな、私は今年色々あって本当に悩んでへとへとになって、でも負けないぞ、絶対負けないぞ!!と立ち上がって、やっとの思いで仕事納めを迎え、この海岸へやってきたのだ。

ここまでさんざん、理不尽な思いも飲み込んで、まわりに合わせて必死に頑張ってきたのだ。

今日という今日くらいは、
お前(波)が私に合わせろ!!

私の乗れるレベルの波、出てこいや!!!
高田延彦 出てこいや
高田延彦のように吠えるも再びあっけなくパーリング・・・

おやおやおやおや・・?
これは一体どういうことかな?

ちょっと冷静になってみようではないか。

いったん浜に戻ると、砂の上に座り考えてみる。
私はまだまだサーフィン下手くそだけど、でもここまでどれもこれも全てひっくり返されるなんて今日はおかしい。

それに、何度も言うようだが私は本当に辛い気持ちを乗り越えて今日ここにやってきたのだ。海で浄化されるために。そしてパワーをもらうために。高速に乗って、3時間もかけて。

ということはやっぱり・・・
お前(波)が空気読めなすぎだよな?

砂の上であぐらをかきそんな屁理屈をこねくり回しているうちに、体が冷えてものすごく寒くなってきた。
ガタガタと震えが止まらない・・。

ちゃんと乗れていれば体が動いていて寒くないのだけれど
波が悪い、お前が合わせろ・・とブツブツと口先だけを動かしている私は寒さの限界を迎え早々に海から上がって着替えることにした。

私は鼻水を垂らしながらそそくさと自分の車まで小走りで戻った。

そして、海岸のトイレで着替えをしてこようと、タオルと洋服を抱えると急いでトイレに向かった。

しかしトイレに行ってみると今回訪れた多々戸のトイレには着替えを置けるスペースも掛けられる棚も見当たらない・・。

ふだん練習に行っている海のトイレには着替えを置けるスペースがあるので
当然のようにトイレで着替えようと思ってしまったのだが、ここで着替えは無理そうだ。

やっぱり車に戻って着替えるしかないな・・と、着替えを抱えたまま、回れ右をして駐車場を小走りで駆け抜け再度自分の車まで戻ってきた。

アァ〜〜〜〜〜
寒い寒い(涙)
凍る・・・。

バスタオルを体に巻き、体に張り付くウェットスーツを必死に脱いだ。
そして、「パンツパンツ・・」とパンツを履こうとすると、先ほどまで確かに抱えて走っていたパンツが跡形もなく消えているではないか。

ヤバい!
こ、これは・・・嫌な予感がするぞ・・・

一瞬にして背中に緊張が走った。
このパターンは・・・

おそるおそる車の陰からすっぽんの様に首をのばし、今自身が走ってきたコースを覗いてみるとまさにその嫌な予感は的中していた。

私は走りながら、パンツを駐車場に落としてきていたのだ。
私の車の数台むこうに停まっている車の前だ。

しかも、ちょうどその車から出てきた背の高いイケメンサーファーが、
「お?・・・これはなんだろう?」という表情で、今まさに私のパンツに近づこうとしているではないか!!!!!

待って!だめ!!

心の中で叫ぶも、体が動かない。

行けない!!私は行けない!!

今日に限ってそんなババくさいパンツ・・・・!!

なんでよりによってこのわたくしめは、イケメンの車の前にまるでハンカチ落としのように
あんなみすぼらしいパンツを、ピンポイントで落としてきたのか・・!!

神は狙っているとしか思えない・・この私をおとしめることを・・・

いや、待てよ。拾いに行くことができないのなら、このまま他人のパンツのふりして黙ってやりすごしたらどうだろうか?

でも・・・もしもさっき着替えを抱えて走り去った私のことをすでに目撃していたら・・

「これ落としましたよ」なんて私のところにイケメン直々にあんなパンツを配達されたら・・・もう生きてはいけない。
「え?私のじゃないです」なんて言っても嘘つけ!と思われるし、かといって素直に受け取っても「あ、ありがとうございます。で、でもっ!もっとかわいいのも持っているんです(涙)!」なんて弁解したくなる・・・考えただけで呼吸が止まりそうだ。

私は車内でゲームに興じていた次女(6歳)を慌てて車から引っ張り出すと、
お願い!!
ママのパンツを拾ってきて!!
早く!早く!
と詰め寄った。

一瞬たじろいだ次女だが、いつもとは違う危機感あふれる私の表情に一瞬にして事態を飲みこむと一目散に駆け出し、イケメンの前に踊り出た。そして「あれ?これはなんだろう?まぁいいや!」などと渾身の小芝居を打ち、素早く私のババくさいいパンツを回収し、戻ってきてくれたのであった。

車の陰に身を潜めながら息をのんで見守っていた私は、パンツ片手に走って戻ってきた次女を思い切り抱きしめた。

よくやった!!!
お前はなんてえらいんだ!!
助かった!!!
ありがとう!!
ありがとう!!(涙)

それはおそらく、今年で一番、心から次女を褒めた瞬間であった。

お前は空気が読める!!
今日の波とは大違いだ!最高だ!!

次女が回収してくれたパンツをありがたく履き、暖かい洋服に着替えると私は急にどっと疲れにおそわれ、放心状態となっていた。

今日、私はなぜここに来たのだっただろうか?

綺麗な海に癒され、サーフィンを楽しんで力をもらい、来年が良い年になるようにパワーを充電しにきたのではなかっただろうか?

何度も何度も拷問のように冬の海に沈められた挙句、イケメンの前に落としてきたババくさいパンツに心臓を痛めつけるために遠路はるばるやってきたわけではないのだ。

呆然とし、すっかり無口になっている私の耳に、子供たち二人のゲームの楽しそうな音だけが虚しく響いていた。

一年のシメがこれか・・。

前途多難

その4文字が私の頭の中にくっきり浮かび、慌てて振り払った。

2020年こそは、ゼッタイに運命変えてやる!!
なにひとつうまくいかない自分とはおさらばだ!!!

この下田市を訪れてからまだなにひとつうまくいっていない私は、グッと拳を握りしめそう誓ったのであった。

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こんにちわ!sawachinです(✿✪‿✪。)ノ すれすれの人生、避けて通れないならネタにしよう! わたしを悩ませるあんなこともこんなことも、こんなことも。 7歳9歳の娘の子育てと仕事の両立に奮闘中! 過敏性腸症候群IBSのおかげで、人生に無駄なピンチが多めに降臨。